生命保険の営業は難しい、なかなか思うように売ることができず困っている営業マンの方は多いと思います。
かくいう私も以前、生命保険の営業マンとして、営業で苦労していた経験があります。
私の場合は、新規顧客と既存顧客に対して営業をしていました。
両者に共通していたのは、既になんらかの生命保険に加入している状態がほとんどであり、接している段階では全く生命保険に入る気がないということです。
その状態の中で、私がどのように生命保険の営業をしていたか、
過去の経験をもとにお伝えできればと思います。
営業をする上で大切にしていたのは”無理な営業はしない”ことです。
本記事をご覧いただくと、生命保険営業のコツを掴むことができます。
顧客のことを知る
さっそくですが、まず始めに知るべきことは「顧客のこと」です。
顧客はどのような状態なのかということです。
顧客はほとんどが以下の状態だと頭に入れておきましょう。
・現状に満足している
→新しい保険には興味がない
・保険に興味がない
→生命保険はややこしいしわからない
・生命保険に入っていない
→病気をしないと思っている、既に病気を患っている
生命保険を売るにはどうすればよいか
重要なのは顧客の「潜在ニーズ」に気づき、そこを深堀していくことです。
人が商品やサービスを欲しくなるのは「不安や不満」を解消するためか、「欲求」を満たすことができる時です。
要は相手の不安や悩み、欲求が分かればそれを解決する手段を提案できればOKということですね。
では、どうすればいいか。
シンプルに「どのような悩みを抱えていますか?」と聞ければいいのですが、初対面の相手に悩みを話そうなんて人はいませんよね。
なので、不安や悩みはこちらで想定して話かけます。
保険て意味あるんですかね?
掛け捨てって勿体無いですよね?
保険ていっぱい種類あるけど難しくないですか? 等
この後の顧客の反応は様々ありますが、次項の潜在ニーズに関連するような質問をいくつか自分で作っておき、何度か試してみることをおすすめします。
反応が薄ければ無理に提案せず、他の顧客で試しましょう。
潜在ニーズ【不安、不満、欲求】を探しながら、情報提供する
前項で顧客から反応があり、話を膨らましていくと下記のような潜在ニーズが見えてくるはずです。
潜在ニーズが見えたら、それに対してどういうニーズがあるか事前に当たりをつけておきましょう。
全てではありませんが、例を挙げると以下のような潜在ニーズが考えられます。
・掛け捨てが嫌だ、勿体無い
→貯蓄できる保険があればな
・保険料の更新が嫌だ
→掛け金が変わらない保険があればな
・ずっと払い続けるのが嫌だ
→働き盛りで払込が終わる保険があればな
・保険料が高いのが嫌だ
→掛け金が安い保険があればな
・保険は難しい
→詳しく教えてくれる人がいればな
上記はシンプルな例ですが、〇〇があればいいなというニーズに応えてあげられればいい提案ができそうですね。
具体的には以下のような感じです。
・貯蓄できる保険があればな
→貯蓄型保険の情報を提供する
・掛け金が変わらない保険があればな
→終身払医療保険の情報を提供する
・働き盛りで払込が終わる保険があればな
→〇〇払込済の保険の情報を提供する
・詳しく教えてくれる人がいればな
→保険の種類や支払い方法、高額療養費などの
社会保険について情報を提供する
上記は営業マンにとっては当たり前の情報ですが、普段生命保険に接していない顧客はわからないことが多いです。
なので、小学生に教えてあげるように優しく情報提供をしましょう。
大事なのは「情報提供に徹すること」です。
ニーズの把握から情報提供まで
では、以下でニーズを把握してから情報提供に繋げる具体的なトークの流れを見てみましょう。
もし、働き盛りのうちに支払いが終わる保険があったらどうですか?
みなさんにご案内していますので、ご案内しますね!
上記のような流れであれば、まだ商品を提案しておらず、情報提供しているだけなので、断られてもショックなどとも思いません。
この後忙しいと断られたとしても、「ああ・・役に立つ情報なのに勿体無い」とだけ思い、次に進めばOKなのです。
少しあからさまなトーク内容なので、このままやりすぎると相手が不快に感じる可能性があります。
あくまでトークの参考としてください。
新規顧客であれ既存顧客であれ、何かしらの潜在ニーズを抱えている前提でコミュニケーションは交わすようにしましょう。
コミュニケーションの中で、潜在ニーズはこれだってものがわかったら、そのニーズを深堀するイメージですね。
大事なのは、ニーズが判明するまで、絶対に商品説明はしないことです。
商品の説明をしても「もう入ってます。」で会話が終わってしまうので注意しましょう。
初対面の相手への営業
この場合も情報提供に徹しましょう。
いきなり商品の説明をしても、全く興味がないですし、余計な時間を使いたくないと思う方が多いです。
なので、ここでは顧客にとってのお役立ち情報を提供しましょう。
例えば以下のようなものです。
・高額療養費
・死亡保険金の非課税枠
・60歳までの死亡率
・傷病手当金
特に高額療養費や健康保険の付加給付の話は私の経験上詳しく知っている方もおらず、わかりやすく情報提供すると喜んでくれます。
大手企業で働いている方であれば、付加給付で戻ってくるお金がとても多いので、ぜひ伝えてあげたい情報です。
この話から「じゃあ、これくらい入っておけばいいのね」や「そんなにリスクは低いのか」などと顧客の気付きになり、逆に解決方法を教えてと聞かれることもあります。

ただ、正直なところ既存契約がある顧客と新規の顧客では情報量が少ないため、新規顧客の方が難易度は高いです。
なので、全く情報がなければ保険証券を持ってきてもらい、現在の加入保険商品について内容を説明してあげられるとなおいいでしょう。
結果信頼感が得られ、顧客から悩みを相談してくれるケースも多くなります。
勉強のすすめ
余裕があれば、他社商品の勉強もしましょう。
生命保険の営業といえば、FPが思いつきますが、FP2級技能士を取得後、民間資格であるAFPになれば他社の商品知識も学べ、毎月最新のFPに必要な情報が冊子で届き、お客様との話ネタ(情報提供)に困りません。
また、私の年齢が若い時に感じたことですが、相手が自分より高年齢だと、どうしても言葉に重みが足りないと感じることがあります。
※若いと経験していないライフイベントが多いため
そういう時は名刺に資格名を入れるだけでも、自分より年上の人には一定の効果がありますので、ぜひ取得も検討してみてください。
ちなみにFP2級技能士、AFPは共に独学でも取得することができますので、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
何より重要なのは目の前の顧客がどのようなニーズを持っていて、自社の商品で何を解決できるかということです。
よっぽど内容が良い商品であれば営業をしなくても顧客は自ら生命保険に加入してくれます。
しかし、生命保険は分かりにくく、商品も数多く存在します。
その中で営業マンができることはCMのように商品説明をすることではなく、会話を通じ、潜在ニーズを把握し、役に立てると思ったら解決できそうな商品を提案することです。
私は7年間にわたり生命保険の営業をしてきましたが、最終的にたどり着いたのは上記の結論でした。
絶対に無理に売らない、顧客の役に立てると思えば、自信を持って提案できます。
顧客を大切にすればまたその顧客が新しい顧客を紹介してくれることもあります。
一時的な関係ではなく、顧客にとって本当に役立つ生命保険を提案できれば何よりです。